ウーバーイーツの3種のインセンティブの中に、“シミ”の愛称で親しまれる「ピーク料金制度」があります。ピーク料金は、その他の「クエスト」や「ブースト」とは異なる稼ぎポイントでありながら、有効活用するにはちょっとした知識とコツが必要です。そこで今回は、以下の要点に沿って、ピーク料金を中心に情報をまとめました。
- ウーバーイーツのざっくりとした仕組み
- ピーク(シミ)エリアの発生条件
- ピーク料金の算出方法と注意点
- ピーク料金とブーストの違い
- ピークタイムの効率的な稼ぎ方
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Table of Contents
ウーバーイーツの仕組み・ビジネスモデルの概要
ウーバーイーツは、ユーザー(注文者)とレストランパートナー、配達パートナーを仲介するプラットフォーム型ビジネスを展開していますが、その中身は、「気軽に中食を楽しみたいユーザー」と「低コストで宅配サービスに着手したいレストラン」、また「スキマ時間に収入を得たい配達パートナー」の三者を同時にマッチングする仕組みです。
ユーザーは、料理代金に手数料をプラスしてウーバーイーツに注文依頼する代わりに、ウーバーイーツは手数料を差し引いて、レストランに調理代金、配達パートナーには配達代金を支払います。
ウーバーイーツのような巨大プラットフォーマーは、三者から手数料を得る収益モデルによって、市場や価格をコントロールできるのが利点です。事実、ウーバーイーツは2021年5月に報酬体系を一新し、配達料金のベースとなる数式や詳細を非公開にしました。「適正な報酬額をどう守るべきか」という課題が残るものの、ウーバーイーツでは本記事で取り上げる「インセンティブ制度」をはじめ、サービスの活性化に繋がるさまざまな取り組みを行っています。
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ピーク料金の仕組み
ピーク料金とは、配達需要が高まったエリアで報酬が割増するシステムのことです。
配達アプリ上で、赤色に染まったヒートマップを形成することから、「シミ」や「ピークボーナス」とも呼ばれています。
ここでは、ピーク料金の特徴や発生条件、計算上の注意点について順に解説します。
ピーク料金の由来は「ピークタイム」
ピーク(peak)とは、「混雑」や「最高潮」を意味する英単語です。その名の通り、ピーク料金はレストランの混雑状況に応じて、エリアの表示色や金額が変動する仕組みとなっています。
以下にウーバーイーツが公表しているピークタイムの定義を、公式HPより抜粋しました。
配達リクエストが一番多く入る時間帯はランチ(11AM~2PM)からディナー(6PM~9PM)のピーク時間となり、雨が降っている日は配達の需要が増えます。
Uberヘルプ「配達リクエストが最も多く入る時間帯と場所を教えてください」より
アナウンスによると、「11:00~14:00(ランチタイム)」と「18:00~21:00(ディナータイム)」が、ウーバーイーツの利用率が最も高まる時間帯=ピークタイムとのことです。このようなランチ・ディナータイムや悪天候時を中心に、300~400円とピーク料金の単価が上昇する傾向となっています。
ピークエリア(シミ)の発生要因
ピークエリアは、以下の状況下においてリアルタイムで表示されます。
ピークエリアが出現する条件
- 飲食店での注文数が増加し、十分な配達パートナーを確保できない場合
- 荒天下のため配達パートナーの稼働率が少ない場合
- 道路混雑や特別なイベントなどの配達を妨げる要因がある場合
ピーク料金は、「増加する注文数(需要)」と「不足している配達パートナー数(供給)」の高低差を解消するために導入されました。シミの色合いも短時間で変化し、薄いオレンジ~濃い赤色に染まるにつれて、ピーク料金が割増になることを示しています。
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ピーク料金の計算方法
ピーク料金の目安は100~400円で、1回の配達ごとに該当する金額が加算されます。
実際のところ、ピーク料金は配達リクエストの受信時に、予定配送料の内訳として表示されます。ピーク料金からはサービス手数料が差し引かれない点も、他2種類のインセンティブと同様です。
ピーク料金は高い地点の金額が適用される
ピーク料金はマップ上で随時更新が行われるため、配達中に金額が異なるエリア間をまたいでしまうことがあります。
仮に、配達リクエストを受けた場所とピックアップ先のレストラン周辺でピーク料金に差がある場合は、高い方の金額が採用されます。
イメージとしては、100円エリアの現在地で配達リクエストを受けたとしても、レストランが400円エリアに該当するのなら、ピーク料金は400円になる目算です。
その反面、ピークエリアは10分程度で変動・消失を繰り返すため、エリア内に留まること自体が難しくもあります。ピーク料金を効率良く稼ぐためには、ヒートマップが出現する時間帯やエリアをある程度予測するスキルが必要です。
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ピーク料金とブーストを比較検証
ピーク料金と似て非なるインセンティブに、「ブースト制度」があります。ピークエリア・ブーストエリアという異なる可動域を持つように、ピーク料金とブーストには以下の違いが見て取れます。
比較項目 | ピーク料金 | ブースト |
計算方法 | 加算 | 倍率 |
発生率 | 低め | 高め |
エリア | やや局地的 | やや広範囲 |
事前通知 | なし | あり |
「倍率」のブーストと「加算」のピーク料金
ブーストとピーク料金それぞれの特徴を、箇条書きにしました。
ブースト(倍率インセンティブ)
- 基本金額に一定の倍率で上乗せされる追加報酬
- ブースト報酬は「基本金額×(ブースト倍率-1.0)」によって求められる
- ブースト倍率は「1.5×」の形で表示される
- エリアや時間帯、車両ごとに発生率や内容が異なる
ピーク料金(加算インセンティブ)
- 通常の配送料に、一定金額が加算される追加報酬
- ピークエリアや金額はAIのアルゴリズムによって短時間で変動する
- ブーストとの併用が可能
ブースト・ピーク料金はともに、注文が多い時間帯やエリアに発生しますが、ブーストは事前確認ができるのに対し、ピーク料金は一切のアナウンスがされません。前述の通りピーク料金は、「レストランの混雑状況(需要)」が「配達率(供給)」を大きく上回った際に、発生します。ピーク料金は、ブーストよりもピンポイントにマップ上の問題点を探り当て、配達のムラを解消するための制度といえます。
ピークエリアとブーストエリアの違い
ブーストがある程度広範囲のエリアを形成するのに対して、ピークエリアは相対的に小さな範囲におさまっているのが特徴です。そのため、現在地でピーク料金が発生していたとしても、近隣ではピークエリアの外側になってしまうこともあります。
またブーストエリアは一定時間ごとに見られますが、ピークエリアはランチ・ディナータイムのピーク頃に現れることが多いです。10分に1回の割合で、地図上のシミが細かく変動するため、頻繁にアプリをチェックする必要があります。
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ピーク時に稼ぐために知っておくべき3つのこと
ピークタイムに報酬を上げるコツは、以下の3点です。
ピークタイムの効率的な稼ぎ方
- 慣れないうちはピークエリア外で配達件数を上げる
- インセンティブを併用する
- 売上予測データを活用する
配達パートナーが本腰を入れるピークタイムに、時給1,500~2,000円以上を稼ぐポイントを説明します。
1. ピーク料金の狙いすぎは本末転倒
はじめに、ピークエリアで稼働する上での注意点を列挙します。
ピークエリア上の注意点
- 競争率が高くなる一方で、配達リクエスト数が少なくなる
- ピークエリアに移動する最中に消えてしまうことがある
- 土地勘がなく情報量が少ない場合は、配達件数を上げにくい
- 繁華街や商店街が多く、通常の配達よりも難易度が高い
高い配達単価を稼ぐことができるピークエリアにも、いくつかの弱点があります。
第一に、ピークエリアは大きな道路から商店街、人混みなどの要素が多く、1件あたりの配達に時間が掛かってしまうことです。またレストランの注文数も競争率も高くなるにつれて、上級者に活躍の場を奪われていくおそれもあります。
ピークの発生時間は短いため、初心者のうちはヒートマップにこだわらず、件数を上げてクエストを達成する方が得策かもしれません。
2. 「ピーク料金+ブースト」の二重インセで稼ぐ
可能性は僅かながら、ピークエリアとブーストエリアが同時刻に重なることがあります。インセンティブの併用については、以下にウーバーイーツの回答を引用します。
ブーストプロモーションに加えてピーク料金プロモーションを受け取ることができます。ピーク料金とブーストプロモーションが同時に適用されている場合、両方の売り上げを得ることができます。
Uberヘルプ「ピーク料金とブーストの支払いを同時に受けることはできますか」より
ピーク料金と他インセンティブが重なれば、時給2.000円以上を狙うことも可能です。特に、稼働時間が短い副業の配達パートナーほど、二重インセンティブによる恩恵は大きくなります。
3. 売り上げ予測データをもとに計画を立てる
配達員用アプリでは、過去4週間のデータを分析した売り上げ予測が公開されています。売り上げ予測とはその名の通り、エリア別の売り上げを1時間単位で予測した棒グラフのことです。
在住エリアや近隣都市を含め、最も売り上げが高まる地域・時間帯を視覚的に確認することができます。この売り上げ予測を把握しながら配達予定を立てたり、エリア間での売り上げを比較したりするのに役立てられます。
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ピーク料金が報酬アップの後押しに
ピーク料金は、需要と供給の差が大きくなった際に、リアルタイムで表示されるインセンティブです。通称“シミ”と呼ばれるピークエリアは短時間で変動するものの、配達単価が高く、高報酬を実現する大きなチャンスとなります。
新料金制においてブーストの減額が物議を醸す中、基本金額に左右されないピーク料金は、ギグワーカーの強みでもあります。ピーク料金システムは上級者向きですが、経験と工夫次第で報酬アップを実現できるでしょう。
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